AIニュース解説 Preplyに学ぶAI×人の指導――教える副業の新しい形

Preplyに学ぶAI×人の指導――教える副業の新しい形

2026.07.02 · AIニュース解説 · AI副業アイデア · 約9分

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この事例で私が一番いいなと思ったのは、AIが人の先生を置き換える話じゃなかったところです。むしろ逆で、先生が「先生にしかできないこと」に集中できるように、面倒な事務をAIが引き受ける、という構図なんですよね。

Preplyが、授業後のフィードバックをAIで自動生成しています

あなたはPreplyというサービスをご存じでしょうか。世界最大級のオンライン語学学習マーケットで、10万人を超える講師が180か国以上の学習者とつながっています。そのPreplyが、OpenAIを使った新機能「Lesson Insights」を導入した、というのが今回の話です(OpenAI公式の事例紹介)。

仕組みはこうです。1対1の授業をPreplyのClassroomで行い、学習者の同意のもとでセッションを録音・文字起こしします。授業終了の数分前にOpenAIが文字起こしを分析し、文法・語彙・発音についての個別フィードバックを生成。授業が終わる頃には、講師と生徒が一緒に振り返れる状態でフィードバックが用意されています。さらにそのフィードバックは復習用の練習問題エンジンに流れ込み、生徒ごとの宿題まで自動で作られる、という流れです。

補足

公式によると、英語学習者の約75%がこのLesson Insightsを実際に使い、講師側も70%超が活用しているとのことです。導入して終わりではなく、ちゃんと現場で使われている数字が出ている点は、真似する側として心強い材料だと思います。

AIが担うのは”事務”、人が担うのは”指導”という分担です

この事例の肝は、AIと人の役割分担がはっきりしていることです。AIが引き受けているのは、授業の要約、フィードバックの下書き、復習教材の生成といった時間はかかるけど定型的な作業。一方で、実際に教える、生徒のつまずきに寄り添う、モチベーションを支えるといった部分は、これまで通り人の講師が担っています。

ここで大事なのは

AIで”事務”を削った分、講師が”指導”に使える時間と集中力が増える、という構図。

授業のたびに手書きでフィードバックをまとめて、復習問題を用意して……という裏方仕事は、地味に重いんですよね。そこをAIが肩代わりしてくれると、講師は生徒と向き合うことそのものに集中できる。置き換えではなく底上げ、というのが今回の設計思想だと感じました。

録音した授業をAIが分析し、文法・語彙・発音のフィードバックを自動生成する様子を示す図解

オンライン指導の副業なら、この分担がそのまま効きます

オンラインで語学やスキルを教える副業を考えているあなたに、この分担はそのまま応用できます。個人で指導を始めると、意外と重いのが授業そのものよりその前後の事務です。前回の内容の振り返り、フィードバックのまとめ、次回の準備。ここに時間を取られて、続かなくなる人は多いです。

だから、まずやってほしいのは「教えること」以外の作業を洗い出すことです。授業の記録、要約、復習課題づくり——このあたりはAIに下書きさせて、人は確認と調整だけにする。事務が軽くなれば、同じ体力で続けられる回数が増えます。副業は続けられるかどうかが全てなので、「続けやすくする」ための自動化は、収入を増やす以前の土台だと思います。

個人で指導サービスを作るなら、この流れが設計図になります

個人開発の視点で見ると、Preplyの「授業→文字起こし→AI要約→復習教材の自動生成」という流れは、そのまま小さな指導サービスの設計図になります。

いきなり全部を作る必要はありません。既存の文字起こしツールとAIのAPIを組み合わせれば、「授業を録音して、要約とフィードバックの下書きを返す」だけの小さな仕組みは、個人でも十分作れます。まずはその最小の形で自分の指導に使ってみて、役に立つと分かってから機能を足していく。Preplyのような大規模サービスも、要素に分解すれば個人が真似できる部品の集まりなんだ、と捉えると、ぐっと現実味が出てきます。

事務が減ると、見られる生徒の数が増えます

収益の話をすると、ここでもポイントは時間の再配分です。授業1コマあたりにかかる事務時間が減れば、同じ労働時間で見られる生徒の数を増やせる余地が出てきます。単価を上げなくても、稼働できる回数を増やす余地が生まれる、という考え方です。もちろん生徒が集まるかは指導の質や集客次第で、事務効率化だけで収入が増えるわけではありません。

ただ、忘れてはいけないのは、価格競争に持ち込まないことです。AIで効率化できるのは誰でも同じなので、「安いから選ばれる」立ち位置は長続きしません。選ばれる理由は、あくまで人の指導の質であってほしい。AIで事務を減らして生まれた余裕を、一人ひとりの生徒への向き合い方に注ぎ込む。そこが差別化になり、結果的に続く収益につながると思っています。

AIが事務作業を担い、人が実際の指導に集中する分担を示す図解

必要なのは高い教材より「AIに渡す/渡さないの判断」です

始めるのに立派な教材システムは要りません。必要なのは、どの作業をAIに渡し、どこは自分で握るかを判断する感覚です。私が指導系の副業を始めるなら、この順番で考えます。

  1. 自分の作業を”指導”と”事務”に仕分ける: 教えることそのものと、その周りの準備・記録・まとめを分ける
  2. 事務の一番重い1つをAIに下書きさせる: たとえば授業後のフィードバックまとめから始める
  3. AIの出力は必ず自分で確認して渡す: 生成された要約やフィードバックを鵜呑みにせず、人の目を通してから生徒に届ける

逆に、今やらなくていいのは「完璧な指導システムを作ること」です。まず一番重い事務を1つ楽にするだけで、続けやすさは大きく変わります。

始める前に、ここだけは見落とさないでほしい注意点があります

指導系でAIを使うときは、特有の注意点があります。

ここは注意

授業の録音・文字起こしには、必ず本人の同意を取ってください。

Preplyも「学習者の同意のもとで」録音・文字起こしをしています。生徒の授業を記録してAIに渡す以上、事前にはっきり同意を得ることは必須です。同意なしの録音は信頼問題に直結しますし、扱う内容によっては法的なリスクにもなります。

ここは注意

AIのフィードバックを、そのまま生徒に渡さないでください。

AIが生成する要約やフィードバックは下書きです。事実誤認や的外れな指摘が混じることもあります。必ず自分の目で確認し、必要なら直してから生徒に届ける。この一手間を省くと、指導の質そのものが疑われます。

ここは注意

AIに任せすぎると、あなたの価値が薄まります。

事務をAIに渡すのは良いことですが、指導の中身まで丸ごとAI任せにすると、生徒があなたを選ぶ理由がなくなります。差別化は人にしかできない指導です。効率化はそこを守るための手段であって、目的ではありません。

「便利だから使う」の前に、特に「同意」と「人の確認」は最初のルールとして決めておいてほしいところです。

私は、AIを”先生の代わり”ではなく”先生の助手”として見ています

この事例を通して、指導とAIの関係についての自分の考えがはっきりしました。AIは先生の代わりにはならないし、ならなくていい。優秀な助手として、面倒な事務を引き受けてくれる存在で十分だと思うんです。

教わる側からすると、フィードバックが速く返ってきて、自分専用の復習まで用意される。教える側からすると、事務が減って生徒と向き合う時間が増える。どちらにとっても悪くない。この「置き換えではなく底上げ」の形は、指導以外の副業にも応用が効くはずです。私も、もし何かを人に教える機会があったら、まず授業後のまとめだけAIに手伝ってもらうところから試してみようと思っています。

参考にしたもの